犬を抱いたおじさん。
この間、普通の営業が終わってからの郵便局に行ってきました。
「ゆうゆう窓口」というのがあって、郵便、ゆうパック、不在通知を受けた配達物の受け取りなど、金融に関わらない業務を24時間受け付けてくれます。
仕事が終わってからも利用できるので、便利です。
「ゆうゆう窓口」は意外と10時11時ぐらいが込み合います。
みんな仕事が終わってから、家に帰って不在通知を手にするからでしょう。
うちが行った日は10人ぐらいが並んでいました。
その中に、いかにもホームレスに見えるようなおじさんが並んでいました。
それだけではありません。
大きな犬を抱えて並んでいたのです。
ハスキー犬より一回り小さいぐらいで、結構大きい犬です。
その犬は吠えることもなく、動き回るでもなく、おじさんに抱かれているのがごく自然であるかのようにじっと抱かれていました。
そして、おじさんもそれがごく自然であるかのように犬を抱いています。
うちも含め、並んでいる人たちはそんな犬とおじさんが気になって仕方ありません(笑)
でも、二人は特にどうってことはありません。
自分たちの順番を待っています。
そして、おじさんの番。
結構大きな声で、しかもハキハキとして、きちんとした言葉。
差し出したのはエアメール。
「海外郵便でお願いいたします。」って。
そんな、海外に手紙を送る宛てなんてなさそうなおじさんなのに。。
「海外郵便」っていう言葉にも、なんか、すごく惹かれた。
そして、切手の種類を念入りにお願いをしてる。
「花が描いてある切手にしてください。」
「花が描いてある切手」にこだわってるのが、妙に素敵に見えた。
日本からのエアメールに綺麗な花の描いてある切手を貼って送る相手はどんな人なんだろうって思った。
色々と希望を出すもんだから、おじさんは長いこと窓口に立ったまま。
次に進まないから、みんなはちょっとイライラしだしている感じ。
その間、犬はちょっと下ろされてたけど、基本的にずーっと抱かれて、じっとしてた。
おじさんは、一通り用を済ませると「ありがとう!」と、またにっこりとキチンとした挨拶をして、大きな荷物の乗った自転車で郵便局から去っていったのさ。
その郵便局の夜の光景が、なんだか小説の中の出来事みたいに見えて、なんだか可笑しかった。
西加奈子の小説っぽいなーって。
ほんとに些細な出来事だったけど、すごく心に残って、次の日にお母さんに話した。
そしたら、「世捨て人なんじゃない?きっとどこかの大きな会社の社長とかやってて、世の中が嫌になっちゃったとかでさ。」って言ってた。
そう思ったら、もっと素敵な出来事に思えた。
終わり。












